Amazon年商2億の裏で、毎晩眠れなかった3年間

物販・D2C

Amazon年商2億。

こう書くと、たいていの人は「すごいですね」と言う。

本当に伝えたいのは、その裏で毎晩眠れなかった3年間の話だ。


副業でAmazon物販を始めたのは、40代後半だった。

きっかけは、家業の伝統工芸品が、地元では売れなくなっていたこと。

「ECに乗せるしかない」

そう決めた夜から、Amazonの世界に足を踏み入れた。


最初の半年は、楽しかった。

商品を出品して、売れる感触をつかむ。

レビューが来る。リピーターが現れる。

ランキングがじわじわ上がる。

「これは、本気でやれば、いける」

そう思った頃から、別の感情が始まった。


恐怖だ。


毎朝6時、起きてまずやるのは、Amazonの管理画面を開くことだった。

「アカウント健全性」というページがある。

そこに赤い警告がついていないか。

それを、3年間、毎朝1分、確認し続けた。

なぜなら、Amazonの世界で、

アカウント停止は、突然来るからだ。


ある日、本当に来た。

朝7時、コーヒーを淹れている時に、メールが届いた。

「お客様のセラーアカウントは停止されました」

理由は書かれていない。

異議申立てのフォームがリンクされているだけ。

その瞬間、目の前が、本当に真っ白になった。

月商で言えば、その月の売上、まるごと止まる。

仕入れた在庫、倉庫に詰まったまま。

広告も止まる。返金処理もできない。


私は、その日、本業の会社を半休にして、

家のリビングで、一日中、異議申立て文を書いた。

ChatGPTがあれば、もっと早く書けたかもしれない。

でも、当時はそんなものはなかった。

エビデンスを集めて、英語に翻訳して、

「私は故意ではない」と何度も訴えた。

3日後に、アカウントは復活した。

画面の前で、本当に正座した。


復活してからも、恐怖は消えなかった。

なぜなら、Amazonの世界では、

ライバル出品者が、商品を悪意で潰しに来る ことがあるからだ。

レビュー☆1を、業者にお願いして、ずらっと並べる。

真贋調査を、本物の商品にもかけてくる。

知財侵害の通報を、嘘で出してくる。

私のところにも、何度も来た。

そのたびに、夜中まで証憑を集めて、Amazonに送った。

勝てた時もある。

勝てなかった時もある。


年商が1億を超えた頃、

「もうAmazonに依存するのは限界だ」と気づいた。

でも、依存しないやり方は、簡単には見つからなかった。

楽天もShopifyもやってみた。

どれも、Amazonの売上を補うほどには伸びなかった。


年商2億になった時、

社員に「ここまで来たぞ」と話した。

社員は、本当に喜んでくれた。

でも、その夜、私は眠れなかった。

なぜなら、明日の朝もまた、

アカウント健全性をチェックしないといけない からだ。

毎朝、心臓が一回止まりかける、あの感覚。

それが、年商2億になっても消えなかった。


「Amazonに依存した経営は、雨の日に屋根が消える家に住むようなもの」

これが、3年間で身についた、私の本音だ。


3年目の冬、ふと、辞めることを考えた。

辞表を書くより、難しかった。

なぜなら、

毎朝のアカウント健全性チェックが、

私の生活の リズムそのもの になっていたからだ。


結局、辞めずに、規模を縮小した。

少しずつ在庫を減らし、新規商品を止め、

「自分が眠れる範囲」まで、戻した。


年商2億で、私が手にしたのは、お金ではなかった。

正確に言うと、お金は、税金と仕入れと広告で、半分以上消えた。

残ったのは、お金じゃなくて、

現場感覚 だった。


「不安と眠れなさ」をコントロールしながら、

毎朝1分のチェックを3年続けられる人は、

たぶん、何の仕事をしても潰れない。

それが、Amazon3年で身についた、私の唯一の武器だ。


そしてこの武器は、本業の人事にも、いま効いている。

部下が「最近、眠れません」と言ったとき、

私は、本気でその顔を見られる。

「眠れない夜」を、3年間、自分も見てきたからだ。


AI時代は、副業も物販も、もっとシビアになる。

ChatGPTで誰でも商品ページが書ける時代に、

眠れない夜を経験した人だけが、ブランドを残せる


これから副業を始めようとしている40〜50代の方へ。

「年商◯億」という数字には、必ず、誰にも見えない3年間がある。

それは、SNSでは絶対に書かれない。

成功者のセミナーでも語られない。

でも、その3年間こそが、

副業で得られる、お金より大事な財産 です。


毎朝、起きるのが少し怖い。

でも、起きて画面を開く。

その繰り返しが、

50歳になっても、まだ自分を立たせてくれている。

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