AI時代に残るのは、全部できる人ではありません。 ―note深掘り版

AIの働き方

noteで「AI時代に残るのは、全部できる人ではない」と書いた。

読まれた数より、

「結局、誰が残るんですか?」

というコメントの方が、多かった。

今日は、その答えを、

人事責任者として、具体的に書きます。


まず、

「全部できる人」が、なぜAI時代に消えるのか から書きたい。

「全部できる人」というのは、

要するに、

マルチタスクが得意な人 のことだ。

メールを返しながら、会議に出て、資料を作って、後輩を指導して、

それを並行で回せる人。

20年前なら、

これが、いちばん評価された人材像だった。

私自身も、若い頃、

「全部できる人」を目指して、走ってきた。


ところが、AIは、

このタイプの仕事を、いちばん上手に代替する。

メール返信、議事録、資料整理、スケジュール管理。

全部、ChatGPTやClaudeが、3秒で出力する。

つまり、

マルチタスクの達人ほど、AIと正面衝突する のだ。


では、AI時代に残るのは、誰か。

私が、20年で見てきた中で、

「この人はAI時代でも消えない」と感じた人には、共通点があった。

3つだ。

ひとつ目は、ひとつの問いを、深掘りできる人だ。

100の業務を浅くこなせる人ではなく、

10の業務しかできなくても、

そのうちの1つを、誰よりも深く考え抜ける人

例えば、採用面接の質問を、

ひとつのテーマで30分、掘り続けられる面接官。

例えば、ある商品の包装紙の素材について、

3年、考え続けられる経営者。

AIは、深く考えさせると、すぐに「もっともらしい答え」を返してくる。

でも、深く「問い続ける」ことは、AIには、まだ、できない。

ふたつ目は、矛盾を抱えたまま、動ける人だ。

優秀な人ほど、

「正解は、ひとつに絞れる」と思っている。

でも、現場の本当の問題は、

たいてい、

「両方とも正解で、両方とも間違っている」 ような構造をしている。

社員Aを取れば、社員Bが傷つく。

短期の売上を取れば、長期のブランドが消耗する。

AIは、こういう問いに弱い。

「両方を満たす最適解」を、

無理やり、出してくる。

でも、人間の現場は、最適解を待っていない。

「矛盾を抱えたまま、いまの一手を打てる人」 が、

AI時代に、組織を動かす。

みっつ目は、沈黙に耐えられる人だ。

これは、何度も書いている。

AIは、沈黙を埋めようとしてくる。

質問すれば、必ず、答えが返ってくる。

便利だ。

でも、

**「答えが返ってこない時間」を、

自分で受け止められる人** が、

AI時代の管理職に、いちばん必要だ。

部下が言葉に詰まった時。

会議で、誰も答えられない問いが出た時。

ChatGPTに頼らずに、

3秒、5秒、

ただ、待てる人。


ここまで読んで、気づいた人もいるかもしれない。

この3つは、

50代の経験値と、相性がいい


20代、30代の頃は、

「全部できる人」を目指す方が、合理的だ。

体力も、吸収力もある。

でも、50代になると、

体力は落ちる。

新しいツールへの吸収力も、20代には敵わない。

その代わりに、

「ひとつを深掘りする力」

「矛盾を抱えて動く力」

「沈黙に耐える力」

この3つは、年齢とともに、確実に、強くなる。


つまり、

AI時代に残るのは、

「全部できる人」ではなく、「年齢を味方にできる人」 だ。


50代のあなたへ。

AIに、マルチタスクを譲ってあげてください。

代わりに、

ひとつの問いを、誰よりも深く 考えてください。

それが、AI時代の50代の、

たぶん、いちばん強い武器です。


そして、

「結局、誰が残るんですか?」

というコメントへの、

私の最終的な答えは、こうです。

「30年、ひとつのことを、深く考え続けてきた人」が残ります。

それが、

たまたま、人事だったか、職人だったか、営業だったか、

業種は、関係ありません。

「深く考え続けてきた」という事実だけが、

AI時代の、最後の通行証です。

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